昨日大阪の堺市長選挙が行われ、現職の市長が再選したとニュースになっていました。
今回の選挙は、大阪府と政令市の大阪市&堺市とを再編する「大阪都構想」の是非が、最大の争点として行われ、都構想に反対している現職の市長が当選したことで、都構想に対し堺市民は「No!」を突きつけたと報じられました。
この背景には、「自治・自由の町」として歴史を歩んできた堺市特有の風土があるといわれています。
堺は、弊社の新刊『戦国イノベーション たくましき海商ルソン助左衛門の時代』の舞台でもあります。
本書の主人公ルソン助左衛門だけでなく、多くの商人が戦国時代、堺で活躍しました。
千利休や納屋宗久、天王寺屋宗及は、当時の堺を代表する豪商でした。
戦国時代の堺を拠点とした宣教師たちは、
「堺は日本の最も富める港で、国内の金銀の大部分が集まる町である」
とか、
「大商人が多くいるこの町は、ベニスのように執政官が治めている」
と、伝えていたそうです。
経済的繁栄を背景に豊かな町民文化も花開き、千利休による茶の湯も堺で完成しました。
貿易港として発展した堺には、有力な商人たちで構成される自治組織もうまれました。
「自主独立の精神」がはぐくまれ、堺は特定の支配者に属さない、独立した自治都市になっていきます。
のちに織田信長が畿内にはじめて進出した際、有無をいわさず堺に軍用金を要求したことがあるそうです。
しかし堺の商人たちは、この強圧的な要求に頑として応じず、信長との合戦を覚悟して、町の周囲にお堀をつくりました。
自主独立の精神がその土壌にあったからこそ、助左衛門のようなたくましい商人が多く活躍できたのでしょう。
と、以上のお話は、『戦国イノベーション たくましき海商ルソン助左衛門の時代』で詳しく紹介されています。
まだお読みでない方は、本書にて詳しくどうぞ!